Marcin Gałązka (Antykwariat Kwadryga, Warsaw)

Marcin Gałązka|Antykwariat Kwadryga(ワルシャワ)書店インタビュー

古書店Antykwariat KwadrygaMarcin Gałązkaに、後現代 | POSTGENDAIからいくつかの質問をした。半地下にあるこの店を、私たちは偶然見つけた。開いた扉から、やわらかな明かりがこぼれていた。店に入ると、Marcinは穏やかに声をかけ、ポーランドの古い雑誌やプロパガンダ・ポスターのデザイン、ワルシャワの街について話してくれた。今では古い映画のなかでしか見かけないような場所。それでも、この秘密めいた文化の居場所は、今も確かに存在している。ここにはPOSTGENDAIの空気がある。

Marcin Gałązka(Antykwariat Kwadryga、ワルシャワ)

 

Q1. 15歳の頃、よく考えていたことは?

15歳の頃、ポーランドは変化の時代にあった。1990年だ。外国を見てみたいと夢見ていて、ひとりでプラハへ旅に出た。初めての海外旅行だった。たぶん、セックスのこともずいぶん考えていたと思う。

Q2. いつ書店を開いたのですか? なぜこの場所を選んだのでしょう?

この店を開いたのは私ではない。店はその前からあって、私が仕事に加わったのは10年前。ここの利点は、市の中心にありながら静かなこと、歴史のある建物が素敵なこと、それから家賃が安いこと。

左:Marcin Gałązka 右:Artur Jastrzębski

Q3. 書店で出会った、最も印象深い出来事や瞬間は?

古書店では、毎日何か意外なことが起こりうる。一日として同じ日はない。それがこの仕事のいいところだ。個人的にいちばん心に残っているのは、いつもの店の仕事を少しはみ出して、コンサートを開いた日々。好きな音楽家を招き、客席のほとんどは友人たちだった。あの独特の空気は、ほかでは味わえないものだった(https://www.youtube.com/watch?v=4R5R9XoxZQg)。

Q4. これまで見た、あるいは見つけたもので、最も忘れられないものは?

ひとつに絞るのは難しい。だから三つ。思いついた順に。

一度、中東で休暇を過ごした。乾いて厳しい気候のなかに数週間いたあと、陸路でポーランドへ戻った。スロバキアのどこかで、列車が青々と茂る、濃く香る森のなかを走り抜けたとき、その美しさにすっかり魅了されたのを覚えている。20年以上前のことだが、今も忘れない。

今、もうひとつ思い出した。イランにいたとき、おそらくそう多くの人が見たことのない光景に出会った。ヤズドの街を歩いていると、路地に、筋肉隆々の男が重りを持ち上げている手描きの看板があった。中を覗くと、男たちが招き入れてくれた。そこで目にしたのが、ズールハーネの儀式だ。踊り、祈り、歌、体操がひとつになった、古代ペルシャから続くもの。美しく、神秘的な体験だった。

Petrov-Vodkinの絵を実際に見たことも、私にとって大きな体験だった。これまでに二度ある。最初はずいぶん昔、モスクワで開かれたロシア美術の大きな展覧会で。長い年月が経った今、覚えているのは《赤い馬の水浴》だけだ。この春、パリでロシア革命美術の大規模な展覧会を見る機会があった。そこでも、いちばん残ったのはPetrov-Vodkinの《Fantasy》だった。

Q5. 「ポストモダン」と聞いて、まず何を思い浮かべますか?

ばらばらで、多様で、ひとつではないものに、ひとつの言葉を与えようとする試み。

Q6. 好きな作家または哲学者と、その人の好きな本を教えてください。

好きな作家はBolesław Prus。19世紀後半、私の街で生き、書いた人だが、その作品には今も真実であり続ける主題がたくさんある。最も有名で、最も優れた小説は『Lalka(人形)』。日本語訳もある。そこには複雑で多面的なポーランド社会の姿があり、男の女性への叶わぬ恋と、男同士の友情が胸を打つ物語として描かれている。ポーランド最高の小説だと言う人もいる。私もそう思う。

Q7. 現代ポーランドの作家や思想家を推薦してもらえますか?

控えめに言っても、現代ポーランドの作家や思想家に詳しいとは言えない。Marcin Świetlickiの詩は好きだ。とりわけŚwietlikiやZgniłośćの曲の歌詞になったものがいい。

 

Antykwariat Kwadryga
ul. Wilcza 29 A lok.25, 00-544, Warszawa, POLAND
営業時間:月〜金 11:00–18:00
https://www.kwadryga.com

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